キム・ハオ
2025年1月1日より施行される政令168/2024/NĐ-CPは、道路交通分野における行政違反の処罰について規定しています。この政令では、具体的な罰金額、是正措置、違反行為ごとの処罰権限が定められています。特に注目されるのは、運転免許証のポイント減点制度が導入された点です。各運転免許証には12ポイントが与えられ、違反の程度に応じて2、4、6、または10ポイントが減点されます。ポイントがすべてなくなると、運転免許証は失効となります。ただし、違反によるポイント減点が12か月間発生しなければ、ポイントは元の12点に回復されます。

この政令の施行直後、罰則の大幅な引き上げに対して多くの議論が巻き起こりました。一部では、交通安全意識の向上や事故防止に貢献すると評価する声がある一方、罰金が以前の最大50倍に引き上げられたことに対し、低所得者層にとって過度な負担になるとの懸念も示されました。また、事前の適応期間がなく、突然の施行となったため、多くの人々が罰則の厳しさに驚きました。特に、ハノイ市やホーチミン市、ビンズオン省などの大都市では、取り締まりの強化により、施行当初に交通渋滞が悪化しました。
しかし、その後の統計によると、施行から1週間で92,000件以上の違反が処罰され、数千人が免許停止やポイント減点の対象となりました。特に信号無視や歩道走行の違反が大幅に減少し、政令の効果が現れ始めました。施行から2週間後には、交通違反の累計件数が174,000件を超え、そのうち約18,000件が免許停止処分を受け、多くの車両が一時的に押収されました。
こうした批判がある一方で、この政令は一定の成果を上げています。交通事故の発生件数、死傷者数は11%~34%減少し、特に都市部での安全意識の向上が見られました。また、多くのドライバーが警察の監視がない状況でも自主的に交通ルールを守るようになり、交通マナーの向上が促されています。施行に伴う課題は残るものの、政令168/2024/NĐ-CPは、交通安全意識の向上や事故削減に寄与し、より秩序ある交通環境の形成に貢献しているといえるでしょう。
