旧暦の7月は、「幽霊の月」や「鬼月」と呼ばれています。旧暦の7月はどんな月でしょうか?ベトナム人の心(精神世界)において旧暦の7月の中にある特別な意味は何でしょうか?
「幽霊の月」や「鬼月」の起源は、「鬼の祭り」として知られており、中国の道教に影響されています。昔話によると、7月2日から「鬼門」と呼ばれる「あの世」の扉が開き、無縁仏の霊がこの世に戻って来ることから始まります。7月14日の真夜中過ぎ(12時)で終わり、悪魔は地獄に戻らなければなりません。従って、7月14日の夜に、鬼や空腹の悪魔に破壊されないように祈るために奉納を行う。実は、この伝説は仏教とは関係がありません。
仏教での旧暦の7月15日は、Vu Lan式と呼ばれ、祝日であり、孝行式としても知られています。Vu Lan式は、衣服にバラを挿す儀式であり、人々に対して親孝行と人間の愛を教育するという美しい文化的な意味を持っています。この祝日は、Muc Kieu Lien(釈迦如来の二大弟子の一人)という人が親孝行をして、幽霊から母親を救ったの伝説にもとづいています。Vu Lan式は、両親(および先祖)の感謝を祝うため毎年行われている。
大多数のベトナム人が「礼拝なら神聖があり、忌なら吉祥があり」という心情を持っていると言われています。特に7月は、多くのベトナム人が不運月と思っており、善行を行ったり、菜食で過ごす人もいるそうです。また7月の間は、結婚式や、お店の新規開店などお祝いごとは避ける傾向が強くあります。「旧暦の7月はガラガラで商売にならない」と言われています。
しかし、7月はVu Lan式の祝日があり、親孝行の月でもあります。7月は、周りの人たちに愛と感謝と思いやりを示し、自分を振り返り、生活を改める良い機会になります。
もし、ベトナムに来たり、ベトナムで暮らすことあれば、このようなベトナムの文化を知れば、私たちベトナム人と距離はより一層縮まることになります。
筆者:Ms.Lo Thi Tinh