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VACサイゴンスタッフコラム

2019/01/06 VACサイゴンスタッフコラム

ベトナムのテトの慣習

ベトナムの人々にとって、テトは家族が集まる機会というだけでなく、伝統的な慣習を守り、ベトナムらしさを保つための時間です。地域や宗教によって、慣習は少しずつ異なります。

一般的にテトの慣習は、年末、大晦日、年始の3回それぞれ独自の慣習があります。年末、大晦日、年始にはそれぞれ準備や儀式があります。
 
年末
年末の12月23日(旧暦)、ベトナムの家族は台所を綺麗に掃除して、Tao Quanという台所の神様を礼拝します。礼拝のためには、金魚を準備する必要があります。礼拝が終わった後、Tao Quanは金魚に乗って、天国に行きます。彼らはTao Quan から玉皇上帝に良いことを報告してほしいと望みます。民間伝承によると、玉皇上帝はTao Quan の報告に基づいて、ベトナムの家族に報酬を与えるといわれています。

この日ベトナム人は、家の中の家具をすべて綺麗に掃除して、新しく見えるように家を飾ります。テト前の年末の掃除は、「去年を見送って、新年を歓迎する」という意味です。家を飾るためには、花と果物が欠かせません。テトの花といえば、北部では桃の花(Hoa dao)、南部では梅の花(Hoa Mai)が人気です。各地域によって、5つの果物トレイは、果物の種類が少し異なります。5つの果物トレイは、万事如意、繁栄、幸運という意味をもっています。

年末の間、一族の子孫は、一緒に祖先の墓を訪問して掃除をします。

さらに、年末というのは返さなければいけない借金を確認する時期です。もし、借金があれば、借金を返さずに年を越してはならず、テトの前に支払わなければなりません。

テトの前に、ベトナム人の家族は集まって、一緒にバイン・チュン(banh chung)作りをします。これは贈り物のためや家族で楽しむために作ります。バイン・チュン作りの慣習は18代目のHung Vuong王時代からの習慣です。バイン・チュンを綺麗に葉っぱで包むことが出来るようになるには、非常に熟練しなければなりません。

 
大晦日
ベトナム人は、一年が始まると、終わりがあるはずという考え方のため、大晦日に儀式を行います。大晦日の儀式の意味は、去年の悲しみを捨てて、新年の幸運と良いことを歓迎するということです。

いつも幸運でみたされるため、大晦日の儀式が終わると、皆は、良い時間を選んで、外に出かけて、お寺へ新年のお祈りにいきます。新年にお寺に行くことはお祈りのためだけでなく、苦しい日々の後に霊的な場所に戻ったり、平和を探したり、悩みと心配をなくしたりするためです。

 
年始
新年のテトの祝いは、とても特別で欠かすことのできない文化です。テト祝いの時、皆は素敵な服を着ます。通常は赤い色の服を着て、お祝いのために贈り物を持って行きます。

この日には、大人は子供たちにお年玉をあげる習慣があります。幸せ、素直、よく学ぶなどといった望みがこめられています。赤いお年玉袋は幸運と幸福を象徴します。昔の文化では、結婚していない人はまだ子供とみなされて、お年玉を受け取ることが出来ます。

テトのこのような慣習は形式的というだけではなく、ベトナム人の文化的な美しさを表すものです。
それぞれの国には独自の慣習があります。ベトナムにも独自の慣習があります。ベトナムのテトは、何世紀にもわたって伝承されてきた特別な文化的慣習です。歴史や時代の変化によって、この慣習は多少失われたり、ミックスされたりしましたが、ベトナム人なら、どこにいても、いつでも、心は自分の民族の由来に向かっています。